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DockerfileとDockerイメージについてざっくりと

Dockerfile

Dockerfile は、Docker イメージを作成するための設計図やレシピ。これはテキストファイルで、イメージを作成するための一連の手順が記述される。Dockerfileには、どのベースイメージを使うか、必要なパッケージや依存関係をどのようにインストールするか、アプリケーションのコードをどこに配置するかなどが指定される。Dockerfile を使って、docker build コマンドを実行すると、その手順に従って Docker イメージが生成される。

Docker イメージ

Docker イメージ は、コンテナを実行するための実際のバイナリパッケージ。Dockerfile の指示に基づいて作成されたもので、アプリケーションやその環境、設定ファイル、依存パッケージなどが含まれている。コンテナを起動するためのテンプレート。

Dockerfile と Docker イメージの関係

  • Dockerfile はイメージを作成するための設計図
  • Docker イメージは、Dockerfile からビルドされた成果物

Dockerfile の内容をもとに、docker build コマンドでイメージが作成され、作成されたイメージは docker run コマンドを使ってコンテナとして実行。

関係の流れ:

  1. Dockerfile: 設計図 → Dockerfile には「何をどう作るか」が記述
  2. Docker イメージ: ビルドされた成果物 → Dockerfile の内容をもとにイメージが作成
  3. Docker コンテナ: イメージの実行 → Docker イメージからコンテナが生成され、実行

下記は補足

Dockerfile におけるベストプラクティス

Dockerfile を効率的に記述するためのベストプラクティスを守ることで、ビルドプロセスの最適化やイメージサイズの削減が可能となる。以下は、Dockerfile を書く際に役立ついくつかのポイント。

  1. マルチステージビルドの活用
    マルチステージビルドを使うことで、最終的なイメージには必要最低限の要素だけを含め、ビルドツールや依存関係を取り除くことができる。これにより、イメージサイズが大幅に削減され、セキュリティ上も有利。
  2. キャッシュの活用
    Docker のレイヤーキャッシュを効果的に活用するために、頻繁に変更されないもの(例えば依存関係のインストールなど)は、Dockerfile の上部に配置し、ソースコードのコピーやビルドは下部に配置する。これにより、変更のたびに再ビルドする範囲を最小限に抑えることができる。
  3. 不要なファイルの削除
    Docker イメージには不要なファイルやビルドツールが含まれないようにすることが重要。COPYADDコマンドでコピーするファイルやディレクトリを適切に制限し、不要なものは.dockerignoreファイルで除外する。
  4. 少ないレイヤーで効率的なビルド
    Dockerfile の各命令(RUNCOPYADDなど)は新しいレイヤーを作成するため、無駄なレイヤーを増やさないようにする。複数の命令を1つのRUNコマンドにまとめることで、レイヤー数を減らし、イメージの効率を高める。
  5. 最小限のベースイメージを使用
    より小さいベースイメージを選ぶことで、イメージ全体のサイズを削減し、セキュリティリスクを最小限に抑える。例えば、通常のOSイメージよりも軽量なAlpineベースのイメージを利用する。

セキュリティとパフォーマンスの考慮

  1. 最小特権での実行
    コンテナはデフォルトでrootユーザーで実行されるが、これはセキュリティリスクを伴う。Dockerfile内でユーザーを作成し、そのユーザーでアプリケーションを実行することで、セキュリティリスクを軽減できる。
  2. 依存パッケージのバージョン固定
    アプリケーションの動作が予測不可能にならないように、依存パッケージのバージョンを固定することが推奨される。これにより、ビルド時に異なるバージョンのライブラリが使われるリスクを回避できる。

これらのベストプラクティスを守ることで、効率的で保守しやすく、セキュアなDockerイメージを作成することが可能になる。最小限のリソースを使って、パフォーマンスを最大化し、システムの安定性を向上させるためにも、Dockerfile の記述には工夫が必要。