楽観ロック、悲観ロックの考え方はとりあえず置いておいて、データ更新する場合の対策としては下記。
手順
- トランザクションの開始
- データベース更新を行う際、まずトランザクションを開始する。トランザクションが開始されている間、該当のデータに対してロックがかかり、他のプロセスはそのデータを変更できなくなる。トランザクションは、データ操作が完了するまで一貫性を保つために重要。
- 更新対象レコードの取得(排他ロック with XLOCK)
- 更新する対象のレコードを**排他ロック(
WITH (XLOCK)
)**を使って取得。この時点で、他のプロセスはこのレコードに対して読み書きを行うことができなくなる。排他ロックを使用することで、データの一貫性を確保しつつ、デッドロックの発生を防ぐことができる。
ポイント: WITH (XLOCK)
を指定することで、データの取得時にロックをかけ、他のプロセスがそのレコードにアクセスできないようにする。この処理が終わるまで、他のプロセスは待機状態になる。
- データの検証(オプション)
- 更新する前に、取得したレコードが他のプロセスによって変更されていないかを確認する。例えば、バージョン情報や
UpdateTime
フィールドを使って、データが取得時と同じ状態であるかチェックする。このステップを行うことで、想定外の更新を避け、データの競合を防ぐことができる。もしレコードが他のプロセスで変更されている場合、トランザクションをロールバックして処理を終了する。
ポイント: データの変更を検知するために、version
やUpdateTime
などのフィールドを使用し、並行する処理が行われていないことを確認する。このステップをスキップする場合もあるが、データの一貫性が特に重要な場合は有効な手法。
- データの更新
- レコードが変更されていないことを確認した後、データの更新処理を実行する。更新処理が完了した後、トランザクションがコミットされる。
ポイント: 更新処理が問題なく完了すれば、トランザクションがコミットされ、データが確定される。この時点で他のプロセスがロックを解除され、更新後のデータを操作できるようになる。
- トランザクション終了とロックの解除
- 更新処理が完了したら、トランザクションをコミットして終了する。これにより、データにかけていたロックが解除され、他のプロセスがアクセスできるようになる。
注意点: トランザクションが長時間続くと、他のプロセスがそのレコードにアクセスできない状態が続くため、デッドロックやパフォーマンス問題の原因になる。したがって、トランザクションはできるだけ短期間で終わらせることが推奨される。